繊維・アパレル業界は、「川上(かわかみ)」と呼ばれる繊維素材・生地業界、「川中(かわなか)」と呼ばれるアパレル生産・メーカー業界、「川下(かわしも)」アパレル小売業界の大きく3つに分類され、繊維・アパレルメーカーとは、主にこの川上と川中を行っている業態を指します。川上では、服の材料となる糸や生地を製造・卸販売などを行い、海外に工場拠点を置いて世界的に活躍する企業もあります。また、川中では、自社の製品を手掛けるところや、「OEM」という自社製品ではなく、他社ブランド製品を委託されて作る会社、布帛(伸びない生地)・ニットなど、それぞれの製品に特化して製品を作る会社もあります。近年では、製品の企画製造から流通、つまり川上から川下までを一貫して行う「SPA(アパレル製造小売業)」や、ネットショップを運営して自社製品・他社製品を販売している会社もあります。洋服が好きという人や、ものづくりに興味がある人はやりがいが感じられる業界です。
経験や専門性を生かし、衣の充実を通して人々の幸福のために働くやりがい
繊維・アパレルメーカーと一口に言っても、職種はさまざまです。デザイナーや営業職のほかに、パタンナー(服の型紙を作る人)、バックオフィスのスタッフから海外工場での縫製技術指導者まで仕事は多種多様です。また、業態もその会社により異なります。会社により製造・小売販売を両方行う会社や、OEM(相手先ブランドの製造)に特化した会社、商品のデザイン、製作から販売まですべてを行う会社とさまざまです。 一般的なキャリアプランとしては、営業から管理職や企画職、販売職から店長・マネージャーへステップアップするなどが挙げられます。また、アパレル業界の専門職と言われるデザイナー・パタンナーは、大きく職種が変わることは少ないですが、担当しているアイテムやブランドが変わったり、チーフへとステップアップしたりする場合があります。