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世の中には「転職上手な人」というのが存在する。例えば、3社や4社、人によっては10社など、複数回の転職成功を経験し、しかもその度に処遇や満足度という点で前職より上回ることに成功しているような人たちだ。
と聞くと「どこに行っても通用するスーパーマンのような優秀者」をイメージする人もいるかもしれないが、筆者の知っている範囲でいえば、平均よりちょっと上くらいの優秀さの人が多い印象がある。むしろ同期100人中でいうと30~40番目くらいの評価だったりするから逆に面白い。
つまり、企業での社内評価と転職市場で通用する"転職力"とは、まったく別のものと言っていいのかもしれない。というわけで、今回は筆者なりに転職上手な人の"転職力"についてまとめてみたいと思う。
複数回の転職成功を手にしている転職上手なビジネスパーソンには、職種、学歴、年齢などとは関係なく、共通点があるように見受けられる。以下に筆者の観点から3つ挙げてみたい。
1.新しいものへの好奇心が旺盛
テレビCMが流れる前から新製品を使っていたり、話題のSNSをサービス開始直後から利用し始めていつのまにかフォロワーが数千人いたりと、自身の専門以外のことでも、とにかく新しいモノやサービスには飛びついて首を突っ込みたがるような人が当てはまる。「アップデートするのは自身の専門分野の情報だけでいい」と考える人も多いだろうが(実は筆者もそう考えていた)、結局必要となる専門分野とそうでない事象との線引きはいつどう変わるか誰にもわからないわけで、全方位にアンテナを張り巡らせておくくらいのスタンスが必要なのだろう。
2.コミュニケーション能力が高い
少なくとも、筆者は転職上手で口下手な人には会ったことがない。聞かれなくてもどんどん自らしゃべるか、むしろ打ち合わせや会議などで黙らせるのが大変くらいの人物が多い印象がある。やはり環境の変化に柔軟に合わせていくには、じっと座して待つタイプより自分からどんどん押し込んでいくタイプが有利なのだろう。ちなみに、ここでいうコミュニケーション能力とは、同じ職場の同僚とよく話す、という意味でのコミュニケーションではない。カルチャーの異なる社外の人間、異業種の相手といつでもやり取りできるという能力のことだ。
3.自身のコアとなるものをよく理解している
転職上手な人に共通する具体的なスキルを挙げるのは難しいが、あえて言うならそれは何か特定のスキルではなく「自身の専門性のコアとなるものは何かをよく理解し、それをテコにして新しい環境で成果を上げられる応用力」だと筆者は考えている。たとえば人事であれば、自身のコアが「評価制度を運用する上での長所短所をよく理解し、現場レベルに合わせて適切に修正できること」と理解していれば、転職先が小売りだろうが製造業だろうが、コアを活かして現場ニーズに合わせた成果を上げることは十分に可能だろう。転職上手な人は、ほぼ例外なくそうした応用力が高いように見える。
「一芸に秀でる」という言葉通り、何かを突き詰めるのは素晴らしいことであり、転職市場においても評価されることではあるが、それは同時に「専門の殻に閉じこもって新しいことに挑戦しない」というリスクとも裏腹だ。
自身の専門分野に関する情報を日々アップデートしておくのは当然として、 そのコアを把握し、様々な業務に応用する工夫はできているか。 新しい企画や提案に対して、とりあえず反対意見を言ってはいないか。 人間関係がほぼ100%社内の人間だけで閉じていないか。
当面、転職の予定はないけれども、転職力のある人材にはなりたいというビジネスパーソンは、上記のような点に気を付けておくだけでも、いざという時の転職力に大きな差が出るに違いない。
城 繁幸(じょう しげゆき)
人事コンサルティング「Joe’s Labo」代表取締役。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。
人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種メディアで発信中。代表作『若者はなぜ3年で辞めるのか?』、
『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』、『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』、終身雇用プロ野球チームを描いた小説『それゆけ!連合ユニオンズ』等。
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