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大企業と言えども安泰とは言えなくなった時代のせいだろうか。最近、中小企業への転職について質問されることが増えたように思う。 特に40歳以降で転職にチャレンジするのであれば、比較的門戸の広い中小企業は選択肢に入れるべきであり、 情報の少ない中から有望な求人をピックアップするプロセスは欠かせないだろう。
というわけで、今回は中小企業への転職について見極めるべきポイントをまとめておこう。
「良い中小企業」といっても、ワークライフバランス的に働きやすい企業や、 とにかく大口の取引先があり経営が安定している企業など様々な切り口があるが、 ここはあえて「将来性のある中小企業」という観点で解説したい。
上場企業であれば財務諸表も公開されているし、様々な取引先から社風や評判も漏れ伝わってくるから外からでも十分に判断可能だが、 中小企業はそういうわけにもいかない。そこで筆者が将来性のある中小企業を選ぶとすれば、以下のポイントをチェックする。
1.具体的な業務内容と必要とされるスキルが明示されている 2.トップかそれに近い責任者が自ら面接し、合否を判断している 3.長期的なビジョンがあり、それについて喜んで説明もしてくれる 4.新卒一括採用の大企業と違い、多様な人材が戦力となっている
世の中には「なんとなく惰性で経営されている企業」や「親会社など、特定の取引先に引っ付いて生きているだけの企業」が少なくないが、 それに対し「将来性のある企業」には明快なビジョンがある。
ビジョンのない会社はなんとなく人手が足りないからというような理由で求人を出し、何をやらせるかも曖昧な企業がほとんどだ。 例えば「未経験者歓迎、業務内容は応相談」としてあるような企業が典型で、 そうした姿勢はとてもプロフェッショナルを迎え入れるというようなものではない。
一方、ビジョンのある会社は「そのためにどんな人材が必要で、どういったスキルが望ましいか」も見えているから、 そうしたスタンスは必ず求人に反映されるものだ。そうした観点から中小企業の求人をざっと見比べてみるだけでも、 将来性のある企業候補として半分程度には絞り込めるはずだ。
その上でエントリーして、実際の肌感覚で見極めることをおすすめする。中途採用における面接というのは新卒と違い、 求職する側も企業を判断するための場だ。お互いプロとして、具体的な処遇や業務内容について詰めた話をすれば、ビジョンの有無は確認できるだろう。
また、そうした有望な中小企業は、必ずと言っていいほどトップか、それに準ずるほど高位の責任者が面接し、合否を判断するものだ。 中小企業の場合はトップとの相性も重要なので、そこである程度の目安はつくだろう。
最後に、これはなかなか外部からは判断しきれないポイントではあるが、すでに在籍している社員の属性についてもチェックできればしておくとよい。 放っておいても新卒が集まってくる大企業と違い、中小企業は慢性的な売り手市場だ。 当然大手が取りこぼした層の中から優秀者をピックアップし、戦力として活躍してもらう必要がある。
具体的に言えば、中高年や女性、フリーター経験者といった多様なバックボーンを持つ人材を戦力としてまとめあげているのなら、 その会社は人事制度やマネジメントに見るべきものがあると考えていい。現在、人手不足を背景に、 大手はこれまでおざなりにしてきた女性従業員の勤続年数引き上げに躍起になっているところが多いが、 ダイバーシティという意味では、中小企業の方が何年も先に進んでいるケースが多いように思う。
逆に「20~30代の男性中心」というようなモノカルチャーな組織なら、人材の質で相当の妥協をしている結果だろうから、 長期的には高いパフォーマンスは見込めないと筆者なら判断するだろう。
城 繁幸(じょう しげゆき)
人事コンサルティング「Joe’s Labo」代表取締役。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。
人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種メディアで発信中。代表作『若者はなぜ3年で辞めるのか?』、
『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』、『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』、終身雇用プロ野球チームを描いた小説『それゆけ!連合ユニオンズ』等。
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