転職ノウハウ

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職歴に突然、空白期間が空いてしまった場合の対処法

多くの識者が明言しているように、転職活動は現在の職に在籍している間に行い、まず内定を取ったうえで退職手続きをとるのが大前提だ。 失業中だと余裕がなくなり冷静な判断ができない可能性があるし、採用する側も“失業者”相手には強気に足元を見てくる可能性が高いためだ。

ただし、常に転職活動がシームレスに成功するとは限らない。突然、離職せざるを得ない状況に追い込まれたり、家庭の事情等で職歴に 一定期間のブランクが空いたりすることも当然ありうるだろう。というわけで、今回は職歴に生じた空白期間の捉え方についてまとめておこう。

突然の空白期間はチャンスに変えるべし

まったく準備も覚悟もしていなかったにも関わらず、突然今の会社を離職せざるを得なくなったなら、慌てて転職活動をスタートするよりも、 あえてキャリアに穴をあけ、修業のための期間とした方が長い目で見ればメリットがあるかもしれない。筆者の知る限り、キャリアデザイン上手には そのさじ加減のうまい人が多いように見える。

例えば、08年に始まったリーマンショックに際し、日本においても少なからぬビジネスパーソンが意図せざる離職に追い込まれていた。 もちろん速やかに再就職活動してもよいのだが、いかんせんあまりにも状況が悪く、業種によっては意に沿うような求人も少なかったように思う。

そうした状況で「再就職ではなくあえて留学を選択し、キャリアに厚みを付けておく」という人がいる。その選択はとても合理的だと思うし、 実際、そうしてうまく乗り切った人間を筆者は何人も見知っている。留学と聞くと海外MBAを連想する人もいるだろうが、そこまでハイスペックでなくとも構わない。 1年程度の語学留学でもインターンでもNPOでも十分だろう。要はその期間がデッドストック化せず若干でもよいから人材価値的にプラスになっていればいいのだ。
いや、海外である必要もない。東日本大震災を機に勤め先を離職し、1年ほどNPOに勤務して地域の課題に取り組んだ後でキャリアアップしたケースもある。 必要とされる場所で自らを活かした貢献を行い、成果を上げたのであれば、それが営利活動である必要はない。立派な成功体験、リーダーシップとして企業からも評価されるに違いない。

もちろん、このような留学やNPOなどの選択肢を、必ずしも容易に選択できない人も多いと思うが、空白期間の過ごし方の一つとして挙げさせてもらった。
肝心なことは、発想の転換をして、次なる飛躍に備えて、この期間を自身の価値を高める自己投資のための時間として活かす選択が有効だということだ。30代以降のそれなりの専門性を持つホワイトカラーなら、そうした業種の垣根を越えたチャレンジは「キャリアの厚みを増す」という理由でプラスに評価される傾向が高い。一貫性のある志向、人事を納得させられるだけの選択理由を示せれば、尚更である。

プライベートな空白期間はどこまで許容されうるか

一方、そうしたキャリアアップのための期間ではなく、純粋に家庭の事情等のプライベートな理由による空白期間はどこまで許容されるだろうか。 結論から言えば、家族の看護や家業継承等のやむを得ない事情であれば、ある程度は考慮されると思われる。30代以降ともなればいろいろなしがらみの発生する年代である。 優秀だがそうした家庭の事情で一端離職せざるを得なくなった人材は、特に人手不足感の強い昨今、人事から見ると逆に採用しがいのある人材に映るものだ。

一方、「3カ月間海外旅行に行っていました」「半年ほど実家で充電してました」といった余暇エンジョイ型の空白期間は(筆者は嫌いではないが)ばか正直に申告する必要はないだろう。 日本企業の主流はまだまだ年功序列であり、年に応じた職歴が要求されるものだ。身になっていない空白期間の存在はそれだけで採用担当の意欲をなえさせるし、いずれまたそうした空白を必要とするタイプの人材なのではないかと疑わせるだけだろう。

どうしてもそういった充電期間が必要なら、在籍中に内定を決め、入社日を後ろにずらしてもらう形でひと月程度のブランクを確保する程度が望ましい。 在職中という強みを活かして交渉すれば、その程度の対価を引き出すのはたやすいはずだ。

今回のポイント
転職は在職中に内定を決めるのがセオリーだが、突然の空白期間に焦って転職先を探すより、自己投資のための期間と割り切って、キャリアに厚みを付けておくという選択肢も有効だ。
やむを得ない家庭の事情であればある程度は考慮されるが、そうでない場合、なるべく短い期間にとどめる努力をすべきだ。内定を取ったうえで入社時期を遅らせてもらうのが最も安全な方法だろう。
城 繁幸(じょう しげゆき)

城 繁幸(じょう しげゆき)

人事コンサルティング「Joe’s Labo」代表取締役。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。
人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種メディアで発信中。代表作『若者はなぜ3年で辞めるのか?』、 『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』、『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』、終身雇用プロ野球チームを描いた小説『それゆけ!連合ユニオンズ』等。

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