転職ノウハウ

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初めての中途採用面接で注意すべきポイント

昨今、中途採用市場がかつてないほどの盛り上がりを見せている。理由は何と言っても生産年齢人口の減少に伴う人手不足だが、加えて企業が即戦力採用重視の姿勢によりシフトを強めている点も見過ごせない。いよいよ本格的に個人がキャリアデザインに取り組まねばならない時代の到来と言っていいだろう。

というわけで、「転職を視野に入れている」という人向けに、初めての転職、とりわけ中途採用面接に際して注意するべきポイントをまとめておこう。複数回の転職経験者にとっては基本的なことだろうが、初めての人にとっては意外と見落としがちなポイントもあるはずだ。

これまでの実務に基づいた泥臭い話をしよう

転職になかなか踏み出せないという人の中には、「自分には華々しい職歴も売りになるスキルもない」と思い悩んでいる人が少なくない。だが、筆者に言わせれば、地味な仕事をコツコツやってきた人というのは、それだけで人事から見れば十分魅力的な職歴を積んでいると映るものだ。断言するが、どこの職場でも仕事の9割は泥臭い実務で占められているものだ。それをそつなくこなせる能力は一つの立派なスキルと言っていい。

逆に、華々しい職歴やバラ色のビジョンばかり話したがる面接者と相対すると、普通の人事なら「この人はうちの職場でうまく馴染んでいけるのだろうか」と不安になるものだ。と書くと「新卒採用時にはさんざんビジョンだの成功体験だのを要求してきたじゃないか」と思う人もいるだろうが、新卒時にはたたき台にする職歴がないからそうした“空中戦”になるだけの話だ。中途採用の面接では、応募者も面接者も胸襟を開いて、心置きなく泥臭い話をした方がいい。

転職動機はできるだけ正直に話そう

社会人となって10年20年経てば、いろいろなしがらみができて当然だ。親の介護や子どもの学業、配偶者のキャリアetc……

それは面接する側も痛いほど分かっているから、一般的に言って人事は、中途採用においては新卒とは比べ物にならないほど寛容である。例えば「転勤が急に決まったが、子どもの教育などを考慮して転職することを決意した」という応募者がいたら、筆者なら非常に魅力的な人材だと考えるだろう(むしろそういう人材に適切な配慮ができなかった前職人事のミスだと考える)。「もっと高い報酬やポストが欲しいから」というのも立派な動機だ。多くの人事は、それを自信と経験に裏打ちされたものとして評価するだろう。

逆に、背伸びしてよく分からない理想やビジョンばかり語ると、面接自体が空回りしてマイナス評価となってしまうリスクもある。中途採用の面接において、動機についてはできるだけ正直に話した方がいいというのが筆者のスタンスだ。

一方で、職場での人間関係やキャリア的な行きづまりなど、どちらかというとネガティブなものはまだまだマイナス視する人事も少なくない。あえて言及するのであれば、そこでの解決ではなく転職を選んだ経緯についてクリアに説明した方が無難だろう。

プロフェッショナルとして対等に交渉しよう

最後に、転職希望者だけではなく、すべての労働者に通じる重要なポイントを挙げておきたい。それは「常にプロフェッショナルたれ」ということだ。本来、1円でも対価を得ている以上はプロであるべきなのだが、そのあたりの自覚の薄いビジネスパーソンが 少なくないように思う。

新卒時点ではポテンシャルだけを頼りに投資してもらうのだから頭を下げるのはある意味当然だろう。でも社会人となってスキルを売る以上はプロである。組織とはあくまで対等であり、入社時期や処遇、勤務条件は堂々と交渉する権利があるし、それは認められるものだ。複数回の転職を経験し、キャリアアップにも成功している転職上級者は、このあたりの交渉が実にうまい。それ自体、キャリアアップの一つの成功要因なのだろう。

なお、そうした“対等の交渉”を行うためにも、可能であれば転職活動は在職中に行うことをオススメしたい。無職の身であれば、足元を見てくる人事担当者も存在するだろう。

今回のポイント
華々しい職歴や売りになるスキルを話さなければと思い悩むことはない。9割の仕事は地味で泥臭いものだ。地味な仕事をコツコツやってきた職歴は、人事にとってとても魅力的で立派なものに映るだろう。
中途採用では新卒と違い、個人的な事情に対して企業はとても寛容だ。転職の動機については飾らずストレートに伝えた方が後々の関係も良好だろう。
採用してもらう新卒と違い、転職はあくまで対等の交渉である。プロとして要望は積極的に伝えて構わない。
城 繁幸(じょう しげゆき)

城 繁幸(じょう しげゆき)

人事コンサルティング「Joe’s Labo」代表取締役。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。
人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種メディアで発信中。代表作『若者はなぜ3年で辞めるのか?』、『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』、『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』、終身雇用プロ野球チームを描いた小説『それゆけ!連合ユニオンズ』等。

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