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転職ノウハウ

職務経歴書実践テクニック&テンプレートダウンロード

業種・職種によって職務経歴書でアピールすべきポイントは異なります。
下記で希望職種のサンプルを確認、テンプレートをダウンロードし、 職務経歴書作成にご活用ください。

職種・業種別 職務経歴書 サンプル&テンプレート一覧

抑えておきたい基礎知識&対策・テクニック

基礎知識アイコン

知っておいて損はない!
まずは職務経歴書の「基礎知識編」

職務経歴書と履歴書は違うモノ?

多くの企業では、職務経歴書、履歴書の内容で書類選考が行われますが、まず、それぞれの書類が果たす役割について解説していきます。

職務経歴書の役割
  • 求める実務能力を満たしているか
  • 仕事に意欲を持っているか
  • プレゼン能力があるか
  • 発揮できる強みを自覚しているか
  • 転職目的が納得できるものかどうか
  • 記載内容に信憑性があるか

これまでどのような仕事をし、
どのような能力があり、
今回の仕事に適性があるかどうかを
判断される書類です。

履歴書の役割
  • 通勤可能な居住地か
  • 学歴や職務経歴が評価できて
    応募先と関係性があるか
  • 応募企業への思いが強いか
  • 転職回数から組織適応力に
    問題がないか
  • 希望給与などに隔たりがないか
  • 丁寧な字で書いてあるか

個人情報の他に、
居住地が通勤可能か、
志望動機から思いが強いかどうか、
希望給与などに隔たりがないかの
条件面を確認される書類です。

職務経歴書の常識&非常識

枚数はどれくらいに収めるのが良いのか? 文字量はどれ位が適切なのか?
細かな疑問に、それぞれの項目で適切な目安を回答していきます。

  非常識 常 識
書き方

経歴が羅列されているだけ

伝えたいことが整理されている

枚数

5枚以上

1〜2枚程度

文字量

長文800文字以上

1つのテーマにつき150字程度

職務内容

強みが理解されにくい

経歴が羅列されているだけ

要約がない

発揮できる強みが強調されている

見出しがあり読みやすい

要約がある

退職理由

長々と書いてある

簡潔に書かれている

志望動機

どの企業にも当てはまる

非現実的な夢、理想

応募企業に向けての内容

過去の経験がベース

自己PR

学生時代、趣味など

長文で内容が理解されにくい

経験に基づく応募企業で発揮できる能力

結論が先で、理解されやすい

入社可能時期

未定

具体的な日時

未経験職種
への応募

受け身のスタンス

自己啓発をしている

自分に適したフォーマット

書類フォーマットには種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。これまでの自分の経歴と照らし合わせ、適したフォーマットを見つけましょう。

  メリット・デメリット 適している人
年代式
サンプルはこちら

●メリット
最もオーソドックスに記載する書き方。時系列であるため、経歴を流れで把握しやすい。

●デメリット
現職部分の記載が後半になるため、アピールが弱くなる。

過去の職務経験が応募職種で生かせる

転職回数が3回以下

逆年代式
サンプルはこちら

●メリット
現職から過去にさかのぼって記載する書き方。直近の仕事をアピールしたい場合に有利。

●デメリット
現在から過去の経歴を流れで把握しにくい。

現職に近い職務経験からアピールしたい人

複数の企業に勤務し、
職務経験が長い人

職能式
サンプルはこちら

●メリット
どの企業であっても、同様の職務内容であれば、それをまとめて記載できる書き方。職務能力を強調でき、転職回数を払拭できる。

●デメリット
フォーマットが特殊なため、違和感を持たれる可能性がある。

転職回数が多い人

職務能力を強調したい人

採用担当者に会いたいと思われるポイント

中途採用では自社で必要とする人材と合致するかどうかを書類から見極めています。
「ぜひ面接に呼びたい!」と思われるポイントをまとめています。

  • 自社が求める人材を理解して応募している
  • 過去の職務経験が自社の職務で生かせる
  • 職務経験の内容が、実績、評価などにおいて信憑性がある
  • 長く働く意思がある
  • 誤字脱字がなく丁寧に記載している
  • 自社だからこそ入社したい強い意思を感じる
  • 将来のキャリアビジョンが明確である。

チェックリスト! 見落としがちなイージーミス10項目

「書類ができた!」と思ったあとに必ず確認してもらいたいポイントをまとめています。
ありがちなミス・減点ポイントを挙げましたので企業に提出する前に必ずチェックしましょう。

  • フォントがばらばらになっていませんか?
    PCだからこそ生じるミス。大文字・小文字も気をつけましょう。

  • 年月を間違って、ずれが生じてませんか?
    もう一度計算し直しましょう。

  • 西暦と和暦が混在してませんか?
    西暦もしくは和暦のどちらかで統一しましょう。

  • 書類の最後に「以上」と記載しましたか?
    書類の最後に「以上」と明記しておきましょう。

  • 社内・業界用語を多用していませんか?
    社内・業界用語が混在していないか見直しましょう。

  • 誤字脱字・誤変換はありませんか?
    PCだからこそ生じるミス。最低、3回は見直しましょう。

  • 法人格を省略していませんか?
    ビジネスマナーとして、省略せずに書きましょう。

  • 雇用形態を省略していませんか?
    極力、職種に関係する資格を記載しましょう。

  • 関係のない資格を列挙していませんか?
    極力、職種に関係する資格を記載しましょう。

  • 趣味・特技などを記載していませんか?
    職務経歴書には不要です。履歴書に書きましょう。

書類送付の際に気をつけること

「添え状は、応募企業へ履歴書や職務経歴書を送付するときに、挨拶状として添付する書類です。書類送付が必要な場合は、ビジネスマナーとして、必ず添え状を添えるようにしましょう。添え状を書く際の注意事項についてまとめていますので参考にしてください。

送り状・添え状
サンプルはコチラ
  • 応募または希望職種を明記する
  • 履歴書、職務経歴書に興味を持ってもらうためのアピールを簡単にする
  • 同封している内容物を明記する
  • 面接の機会をいただきたい旨を記載する
応募書類を入れる封筒
サンプルはコチラ
  • 住所は、都道府県から正確に記入し、社名は(株)などの略字は使わない
  • 封筒の表面左下に、「応募書類在中」、または「◯◯職応募書類在中」と記入
  • 封筒の裏面に自分の住所、氏名を記入
  • あて名は「御中」と「様」を併用しない
  • 書類に折り目がつかないように定形外の封筒を使用
  • 書類に汚れがつかないように、書類はクリアファイルに挟んで封筒に入れる
  • 急ぐ場合は、宅配便や速達で送付。書留は避ける
メール応募の場合
  • 添付する場合は環境に左右されない、PDFファイル形式が望ましい
ケース別対策編アイコン

ケース別対策編! 様々なケース別で 好印象を残すためのアピール方法

case01「第二新卒」

短期間で辞めた場合、職務経歴が短い場合でも、採用担当者が知りたいことは、過去の経験を生かして自社で貢献できる人材かどうかです。過去の変えられない事実に固執せず、今まで培ったスキルや経験をどう生かしていけるかを考え、活躍できる人材であることをアピールしましょう。

CHECK!
  • 研修などでビジネスマナーが身についていることを記載する
  • 応募職種に関するスキル・経験があれば強調する
  • 転職理由は、前職を否定せず前向きに記載する
case02「未経験」

どういう意図で未経験を募集しているかでアピールの方法は多少変わってきます。未経験者歓迎なのか、未経験者可なのか、募集内容からニュアンスをしっかり掴みましょう。いずれにせよ、職務経験はないわけなので、志望動機・自己PRを充実させる必要があります。

CHECK!
  • 未経験であっても戦力となる人材であることを経歴要約などで端的にアピールする
  • 汎用できる経験・スキルを記載する
  • その職種に就くべく、自己啓発していることを記載する
case03「職務経験が短い」

職務経験が短いことでの採用担当者の懸念は、「すぐに辞められるのではないか」という点です。退職理由は、決して会社を批判せず、入社前の条件と相違であれば簡潔に、やりたいこととの相違であれば前向きな理由を記載しましょう。

CHECK!
  • 短期間であっても職務内容を掘り下げて記載する
  • 退職理由はやりたいことの実現と関連させる
  • 短期間で退職したことをネガティブにとらえず、前向きな経験としてアピールする
case04「転職回数が多い」

転職回数が多いと、自社に就職しても定着しないのではないかという懸念を抱かれます。転職を繰り返したことをポジティブに捉え、簡潔に記載する。さらに次の転職では、腰を据えて、業務に取り組みたい旨を記載する。

CHECK!
  • 多くの経験・スキルを持つ強み、今後の目標をアピールする
  • 例えば、複数の勤務先での経験を職務能力としてまとめ、実務能力をアピールする
  • 転職回数の多さをネガティブに捉えず、経験が生かせること、長く勤めたい旨を記載する
case05「同業・同職種への転職」

採用担当者は、なぜ同業・同職種へ転職したいのかについて興味を持ちます。応募企業だからこそ実現できることや、即戦力として活躍できる人材であることをアピールしましょう。

CHECK!
  • 同職種であれば、より具体的な職務内容を記載する
  • 同業・同職種だから発輝できる強み、保有資格などを記載する
  • 前職ではできず、応募企業だから実現できることを記載する
case06「リストラ」

リストラで退職した場合は、気持ちを切り替えてチャレンジしていくことが大切です。業績不振などの理由がある場合は、その旨を簡潔に記載しましょう。

CHECK!
  • 好機として捉え、前向きに転職を考えていることを記載する
  • 具体的な職務への取り組み方を記載することで、仕事のスタンスをアピールする
  • 今後どのように仕事をとらえていくか、ビジョンを示す
case07「ブランク期間が長い」

目安として、4カ月以上のブランク期間があるとその理由が気になりますが、応募企業が欲しいスキルや経験があれば、ブランク期間はそれほど気になりません。その間に資格取得や自己啓発など有効に活用してきたことを記載しましょう。

CHECK!
  • 携わった業務について分かりやすく記載する
  • 病気や怪我が理由の場合は、現在は支障がないことを記載する
  • ブランク期間を払拭するだけの強みをアピールする
case08「管理職採用を希望」

応募企業で求めらる管理職像をイメージして記載してください。管理職としての実績や評価を記載するうえで、決して自慢にならないように謙虚さを保ちながら、強みを打ち出しましょう。過去の功績にこだわらず、柔軟性がありチャレンジしていく意欲があることを伝えましょう。

CHECK!
  • 管理職としての仕事の進め方、信念を記載する
  • 管理職としての強みを箇条書きで示す
  • 良好な人間関係を構築し、マネジメントできる人材であることをアピールする
谷所 健一郎
取材先キャリアアドバイザー
人材コンサルタント 谷所 健一郎(やどころ けんいちろう)

有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメントアドバイザー(CDA)。1万人以上の面接や人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職道場、キャリアドメインマリッジ、ジャパンヨガアカデミー相模大野を経営。 著書は『はじめての転職ガイド 必ず成功する転職』『転職者のための職務経歴書・履歴書・添え状の書き方』『転職者のための面接回答例』(いずれもマイナビ出版)ほか多数。