特集

コンサルタントとの面談って?現役コンサルタントが服装から準備まで気になることに回答!

コンサルタントとの面談って?

コンサルタントとの面談って、何を聞かれるのだろう、どんな準備が必要なのだろう。コンサルタントの利用や登録が初めての方や慣れていない方は、「面談」というステップにいろんな「?」が渦巻いていることでしょう。

今回は株式会社ハッピー・マークの代表であり、現役コンサルタントの廣瀬氏にコンサルタントの選び方、面談の準備、持ち物、服装、面談で聞かれる内容などの基礎知識から、「面談はキャンセルできる?」「どこまで本音で話せばいいの?」など現役のコンサルタントだからこそ答えられる面談に関する疑問まで、気になる「?」にお答えいただきました。

そもそもコンサルタントの選び方は?

コンサルタントにはどんなタイプがある?

一般的に言われているのは、コンサルタントには大きく分けて二つのタイプがあります。特定の業界や職種にとらわれず、幅広い案件に対応する「総合型コンサルタント」と、業界・職種に特化して専門性を注ぎ込む「特化型コンサルタント」です。それぞれのタイプにはメリット・デメリットがあり、どちらを選ぶのかは、ご自身が目指すキャリアやコンサルタントに求めるサポートなどによって異なってきます。

「総合型」のメリット・デメリットとは?

「総合型コンサルタント」を活用するメリットは、特定の業界・職種に限定していないため、多数の求人案件を扱い、幅広い選択肢を提示してくれることにあります。求職者としては前職の業界にとらわれず、「自分には実はこんな業界で活躍する道もある」と、他の業界への転職に視野を広げ、新たな可能性に気づく機会を得ることができます。

デメリットとしては、その裏返しとして、特定の業界・職種に対する知識やノウハウが薄くなってしまいかねません。また、間口が広いこともあって、一人のコンサルタントが多数のユーザーに対応することが多いため、一人ひとりへのサポートが「広く浅く」になってしまう傾向が否めないこともあります。

「特化型」のメリット・デメリットは?

一方、「特化型コンサルタント」では、業界・職種に特化しているため、専門分野の知識・ノウハウを有したコンサルタントが対応してくれます。その業界・職種の特性をふまえたうえで、求職者の経歴やスキル、希望も深く理解してくれて、紹介企業の選択や面接・書類対策などを綿密に行ってくれます。

「特化型コンサルタント」には自身がその業界・職種で実務経験を積み重ねてきたコンサルタントも多く、企業・仕事の実情や描けるキャリアなどもよりリアルに伝えてくれます。

逆に、業界・職種を限定しているため保有案件が少なくなり、求職者の選択肢が限られてしまう傾向があります。幅広い案件から自分が希望する条件や風土のある企業を検討したいという方にとっては、「狭く深く」がデメリットになってしまうことでしょう。

自分に合った紹介会社やコンサルタントを選ぶポイントは?

まずはこれらのメリット・デメリットをふまえたうえで、自分に合うコンサルタントはどちらのタイプなのかを考えてみてください。例えば、「将来の目指すキャリアを決めかねている」「業界・職種にこだわらず、いろんな選択肢・可能性を検討したい」という方は、「総合型コンサルタント」がフィットします。逆に、「転職したい業界・職種は決まっている」「これまでの経験の延長線上で転職先を探したい」という方は、「特化型コンサルタント」のサポートを受けることがおすすめです。

いずれのタイプにおいても、登録するコンサルタントを選ぶ際には、それぞれのホームページやコンサルタントのポータルサイトなどを参考に、各社がどんなスタンスで求職者に向き合い、どんな経歴・実績を有したコンサルタントが在籍しているのかをしっかりと吟味・検討することが大切です。

その際には、各ポータルサイトが優良コンサルタントを表彰するアワードの受賞歴や、実際にコンサルタントを利用したユーザーが書き込むコメント欄の生の声も、検討の参考にすることができます。

例えば当社では、サービス・レジャー・教育業界を中心に、企業に対して従業員満足度調査を行っており、企業の内情をふまえたうえで紹介企業を厳選し、1社に集中したサポートを行っています。単に公開されている案件だけでコンサルタントを判断するのではなく、こうした各社のスタンスや特色、強みにまで目を向け、皆さんそれぞれに合うコンサルタントを選んでいくことがおすすめです。(マイナビスカウティング発表:コンサルタントアワード受賞企業はこちら

コンサルタントとの相性を見極めるには?

ただ、コンサルタントが初めての方や慣れていらっしゃらない方は、どのタイプのコンサルタントが自分に合っているのかを最初から判断することは難しいと思います。

担当するコンサルタントそれぞれによって人柄や強みも異なりますので、最初から間口を狭めるのではなく、「総合型」「特化型」それぞれ複数社に登録し、実際にコンサルタントとお会いしてみてご自身との相性などを見極めることが賢明です。当社に登録されている方々も、6割以上が他のコンサルタントにも並行して登録されています。

数多くのコンサルタントがあり、その選択は求職者の皆さんに委ねられています。コンサルタントとの相性が合わないと思えば、その理由を伝えたうえで他の担当者への変更を依頼するか、あるいは他の紹介会社の活用を検討することにも遠慮はいりません。そうしたフレキシブルな対応をしていけば、皆さんと相性の合ったコンサルタントがきっと見つかるはずです。(複数のコンサルタントを活用するために知っておくべきポイント

コンサルタントとの面談とは?(面談の目的や流れ、質問内容)

面談の目的は?

面談の最大の目的は、求職者の皆さんとコンサルタントがお互いの理解を深めあうことにあります。お互いを理解しあうことが、「この方にはこんな企業・仕事が向いている」という方向性を決めていくためには不可欠であり、その後のサポートの精度を高めることにもつながり、転職成功への第一歩となります。

「40代で未経験の業界・職種にチャレンジするのは遅すぎるのではないか」「自分にはスキルが足りず、転職は上手くいかないのではないか」といった不安をお持ちだった方も、私たちコンサルタントとの面談を通じて、ご自身の可能性を広げ、満足度の高い転職を果たしていただいた事例が多数あります。自分の考えだけで可能性を狭めるのではなく、転職市場に精通したプロとの面談を通じて、新たな可能性を切り拓くきっかけを得ることもできます。

ただし、面接ではありませんので、変にかしこまったり、ご自身を飾って見せようとしたりする必要はありません。また、求職者の皆さんが一方的に質問を受けるだけではなく、皆さんからもコンサルタントに気になることをどんどん質問し、解消していける双方向のコミュニケーションの場だととらえてください。

キャリアアドバイスもしてくれる?

廣瀬信康

これは、コンサルタントによって異なると思います。経歴や希望条件などを確認後、すぐに具体的な求人案件の話に移るところもあれば、キャリアアドバイスに力点を置いて面談を行っているところもあります。同じ紹介会社に所属するコンサルタントであっても、それぞれのスタンスによって異なる場合があります。キャリアアドバイスを受けたいという方は、事前にその旨をコンサルタントに伝えて確認するとよいでしょう。

キャリアビジョンが明確に定まっていない方は、キャリアアドバイスに定評のあるコンサルタントの面談を受けることがおすすめです。経験豊富なコンサルタントであるほど、多くの方々のキャリアを見つめてきた実績があり、「こんなキャリアを歩んだ人もいる」という事例を織り交ぜながら、キャリアの重ね方やキャリアチェンジのステップなどを丁寧に紐解いてくれるはずです。

面談の大まかな流れは? どんなことを質問される?

【1】自己紹介

【2】これまでの経歴・仕事内容の確認

【3】転職理由や目指すキャリアの共有

【4】転職先への希望条件の確認

【5】求人案件の紹介

コンサルタントとの面談は、上記のような流れが一般的です。

自己紹介

まずは求職者と担当のコンサルタントがお互いに自己紹介。その際には、コンサルタントから自社の特徴やサポートの流れ、サポートプランやスタンスなどを説明します。担当者のキャリアの歩みや転職体験談、転職支援実績、強みとする業界・職種なども気兼ねなく質問し、コンサルタントの人となりを確認していきましょう。コンサルタントは転職市場の動向などもタイムリーに掴んでいますので、そうした情報もざっくばらんに聞くことができます。

経歴・仕事内容の確認

コンサルタントが職務経歴書に目を通しながら、皆さんの職務経歴一つひとつについて掘り下げていきます。いわば、皆さんがどんな仕事・役割を担い、どんな実績や強みを磨いてこられたのかという経験・キャリアの棚卸です。例えば「新規サービスに企画から携わり、顧客企業の課題解決を推進した」という経歴に対して、何名チームで具体的にはどんな役割を担い、どんな企業に対してどうアプローチしてきたのか、その結果としてどんな成果を導き出せたのかといった内容をさまざまな角度から質問し、紐解いていきます。

ご自身だけでは気づけない強みやアピールポイントも、コンサルタントとのやりとりを通じて浮かび上がらせることができ、前職で培われた経験・スキルが実はこんな分野にも生かせるという発見も得られます。ご自身のキャリアを整理できる絶好の機会になると思います。

当社がここで重視しているのは、求職者の皆さんがどんな場面でやりがいを感じ、イキイキと輝いてこられたのか。経歴の裏側にある心情にも目を向け、皆さんが本当にやりたいこと、皆さんが心から充実感を得られる職場・仕事を探るように心がけています。

転職理由・目指すキャリアの共有

次に、転職理由や目指すキャリアの確認を行います。これらは転職サポートの重要な指針となりますので、コンサルタントによってはこちらを先に行う場合もあります。転職を考えるに至ったきっかけや現職場での悩み事や不満などを伺いながら、皆さんが新しい職場や仕事を決めるにあたって重視される点、譲れない点、仕事観、価値観などを紐解いていきます。

そして、就業後のキャリアにも目を向け、どんなキャリアを歩んでいきたいのか、どんなライフプランを思い描いているのか、皆さんの希望や思いを伺いながらキャリアビジョンを一緒に検討していきます。転職したい業界・職種が決まっていない場合は、その旨を率直に伝えていただいて構いません。コンサルタントが一緒に目指すキャリアを考えていきます。

希望条件の確認

そして、年収、役職、勤務時間、年間休日、通勤時間、ワークスタイル、福利厚生など、転職先に求める具体的な希望条件を共有していきます。

まずは希望を率直に打ち明けることが大切ですが、希望条件のすべてに合致した企業への転職に固執しすぎてしまうと、最初から間口が狭まってしまいます。そのため、コンサルタントは希望を受けとめたうえで、「この年収を得られるのなら、勤務時間は多少長くなっても構わない」「年間休日を120日以上確保できるのなら、年収はここまで妥協できる」というように、「この条件は譲れない」「この点は妥協できる」といった優先順位を話しあいながら握りあっていきます。

求人案件の紹介

これらの情報共有を踏まえたうえで、具体的な求人案件の提案・紹介に移ります。コンサルタントによって保有案件の数やスタンスは異なり、条件面を広く吟味しながら数十社の求人案件を提案するケースもあれば、当社のようにピンポイントに数社もしくは1社に的を絞って提案するケースもあります。

いずれにおいても、案件提案の際にはコンサルタントから「なぜこの企業を提案するのか」という説明を受けることが大切です。求人票に記載された情報のみならず、経営層の考え方やビジョン、職場の風土・雰囲気、人材観、評価制度、平均残業時間、有休取得率などの情報も開示してくれます。ライフステージを経ながら長くキャリアを描いていきたい方は、産休・育休の取得状況や復職実績、子育て支援制度の内容なども細かく確認していきましょう。そうした他には出にくい情報を得られることも、公募ではなくコンサルタントを活用する大きなメリットでもあります。

逆にそうした説明を得られなければ、求職者の皆さんから質問を投げかけていってください。そのやりとりが就業後のミスマッチを防ぐことにつながりますし、企業の内側の情報を持っているかどうかが、コンサルタントの力量を判断する材料にもなります。

コンサルタントから、面談で「とりあえずこの企業の選考を受けてみましょう」「受けてみないとわかりませんよ」と勧められた際には、きちんと検討してみましょう。こうした言葉が場当たり的に出てくる場合は、本当に求職者目線でマッチングを検討しているのかということに疑問が残るからです。その意味でも、やはり大事なのは「なぜこの企業を提案するのか」をコンサルタントに確認すること。そして、納得感のある答えをもらったうえで、実際に応募するのかどうかを見極めることを心がけると良いと思います。

紹介された企業には応募すべき?

面談でお伝えする求人案件は、あくまでもコンサルタントからの提案ですから、必ず応募すべきという義務は一切ありません。コンサルタントが提示する情報やアドバイスをもとに、皆さん自身が求人案件の内容をしっかりと吟味し、応募の是非を判断していただくことが大切です。

むしろ私としては、全てを受け入れていただくだけでなく、「ここには応募したくない」という皆さんからの率直なお言葉を投げかけていただくことも歓迎しています。「なぜこの企業には応募したくないのか」という理由を掘り下げていくことで、皆さんが転職先に求める希望や条件の優先順位をより明確に整理でき、マッチングの精度を高めていくことにつなげることができるからです。こちらから提案した案件について少しでも気になることがあれば、ぜひ遠慮なく、率直に伝えていただきたいと思います。

面談にはどんな準備が必要?

面談に持っていく物は?

  • 記載済みの履歴書
  • 記載済みの職務経歴書
  • 筆記用具(ペンとメモ帳)

コンサルタントから面談当日に必要な物のアナウンスがあると思いますが、この3点セットは必須です。これに加え、クリエイティブ系のお仕事であれば、これまでの実績をまとめたポートフォリオもあらかじめ準備して持参するとよいでしょう。

現職の名刺は?

必要ありません。もちろん、コンサルタントからは名刺をお渡ししますが、求職者の皆さんから名刺をお渡しする必要はなく、コンサルタントも心得ていますので、マナー違反だと思われることはありません。受け取ったら、名前を伝えて挨拶するだけで結構です。

履歴書・職務経歴書の書き方は?

面談の際に必要となるのは、「履歴書」と「職務経歴書」です。特に大切なのは、コンサルタントがこれまでの経歴を紐解く際の指針となる「職務経歴書」です。

勤務してこられた企業ごとに在籍期間、役職、仕事内容、資本金、従業員数などの最低限のエッセンスを記載することに加え、仕事に対して自分なりにどんな工夫を行い、どんな成果を得られたか、その経験を通じてどんなスキルや成長の手応えを得られたのかということも、ご自身なりの言葉で記載しておくと、面談もスムーズに進みます。

そうやって経歴一つひとつを振り返りながら職務経歴書を作成することによって、ご自身なりにこれまでの歩みを整理することができ、面談でのやりとりもより濃密に進めることができます。

とはいえ、書類作成に慣れていない方でも、大丈夫です。面談は選考の場ではありませんので、コンサルタントは最初から完成形を求めているわけではありません。面談の内容をふまえて、改めて皆さんの強みやアピールポイントが的確に伝わる履歴書や職務経歴書の書き方をアドバイスしてくれますので、最低限のエッセンスが記載されていれば十分です。

自己PRについても、例えば「コミュニケーション力やチームワークに自信がある」という記載があれば、具体的にこれまでの仕事のどんな場面で発揮してきたのか、どんな仕事に活かしていけるのかといったことを、私たちコンサルタントが面談を通じて肉付けできるように紐解いていきますので、その材料を盛り込むというスタンスで書類の準備を進めてください。

当社でも最初の面談では書類上の話だけには限定せず、会話の中で皆さんの人となりを掘り下げていくことを重視しています。ですから、「最初から完璧に書類を用意しないといけないのでは」という心配はいりません。

その他準備しておくことは?

年収は最低限いくらにしたいのか、どんな働き方や職場環境を叶えたいのかという希望や条件、あるいはコンサルタントに面談で確認したいこと、現時点での不明点などをあらかじめ整理しておくと、対応するコンサルタントも内容を掘り下げやすく、条件面の優先順位や具体的な案件も提示しやすくなります。

特に大手コンサルタントでは、一人のコンサルタントが多数の求職者を担当しているため、面談時間に限りがある場合がありますので、事前にポイントを整理しておくとよいでしょう。

そうした準備をして面談に臨むことで、コンサルタントに対して「この方は転職やキャリアに対して真剣に向き合っている」という好印象を与えることができ、転職のパートナーとしての信頼関係を築きやすくなると思います。

面談の所要時間は?服装は?

どれくらい時間がかかる?

コンサルタントによって面談時間は異なりますが、目安は1時間~2時間ほどです。履歴書や職務経歴書の内容が充実し、ご本人の希望も明確であれば、30分程度で終わることもありますが、面談はその後の転職サポートの指針を固める重要な場ですから、余裕をもって2時間くらいかかると見ておいたほうがよいと思います。

私たちはじっくりとお話をお伺いしていくタイプなので、1回の面談に1時間以上かけて行うことが大半です。もちろん、求職者の皆さんにもご都合がありますので、面談の際にはあらかじめ担当するコンサルタントに時間の目安を確認しておくと、予定も立てやすくなると思います。

他との予定の兼ね合いで1回の面談で収まりきらない場合は、例えば1回目の面談では経歴や希望条件などを共有し、2回目の面談で具体的な求人案件の提案や選考に向けた対策について話し合うという進め方を行うこともできます。そうした調整も遠慮なく担当者に依頼してよいと思います。

当日の服装は私服?スーツ?

基本的には、面談にお越しいただく際の服装は自由です。もちろんスーツであれば間違いないですが、現職の職場の服装がカジュアルや作業服で、仕事帰りに面談に向かう方もいらっしゃると思いますので、スーツ以外でも問題はありません。

ただ、コンサルタントも人間ですから、服装でその方に対する心象が変わることも否めません。カジュアルでもいいとはいえ、ジーパンやTシャツのようなあまりラフすぎる服装は避け、オフィスカジュアルなど清潔感のある服装で行くことがベターです。コンサルタントに服装からもよい印象を持ってもらえれば、面談でのヒアリングや求人案件の紹介、その後のサポートにもいっそう力を入れてくれるという面もありますので、せっかくコンサルタントを活用するのなら、服装にも気を配ることをおすすめします。

男性の服装は?

男性の場合、ボトムはジーパンやハーフパンツなどは避け、スラックスを選ぶようにしましょう。トップもTシャツやトレーナーではなく、襟のついたシャツやポロシャツなどがおすすめです。その上にジャケットを羽織っていくとなおよいでしょう。

靴も同様に、サンダルなどのラフ過ぎるものは避け、できれば革靴を合わせることがベターです。髪型は業界・職種によって良し悪しは異なりますが、「ビジネスマナー」があることをコンサルタントに認識させるためにもきちんとセットして身だしなみは整えておきましょう。

女性の服装は?

女性の場合も同様に、ジーパンやラフ過ぎる服装は避け、落ち着いた色合いのスラックスやスカートに清潔感のあるシャツを合わせ、ジャケットを羽織って行くとよいでしょう。足元もミュールやサンダルはできるだけ避け、パンプスを合わせることがおすすめです。アクセサリーやネイル類もあまり主張させず、過度に派手なものは自重しておくほうがよいと思います。

場所や時間は求職者の都合に合わせてくれる?キャンセルはできる?

どんな場所で面談を行う?

コンサルタントのオフィス内にある面談スペース、もしくはパーテーションで仕切られた打ち合わせスペースで行うことが多いです。大手コンサルタントの場合、支店やサテライトオフィスを複数構えていますので、求職者の皆さんが紹介会社のオフィスに来社することが難しい場合には、コンサルタントが皆さんに都合のよいオフィスまで足を運んで面談を行ってくれることがあります。人材会社での面談ではプライバシーが確保されていますので、周囲を気にすることなく面談を進めることができます。

時間やアクセスの都合でオフィスに出向けない場合には、出張面談に対応してくれる場合もあります。その際には、皆さんの現職場やご自宅の最寄り駅、アクセスに便利なターミナル駅から近いカフェやファミリーレストラン、会議スペースなどで面談を行います。ただ、出張面談では利便性がある反面、周囲の雑音が気になってしまいかねないということも、あらかじめふまえておきましょう。

こうした面談場所の希望もキャリアカウンセリングにあらかじめ伝えておくと、柔軟に対応してくれるはずです。

面談は何時まで対応してくれる?

日中は現職場から抜け出すことができず、仕事帰りに面談を行いたいという求職者の方も多くいらっしゃいます。そうした都合に応じて、当社のように夜間面談に対応しているコンサルタントも多く、希望の時間に面談できるように柔軟に調整してくれます。もちろん、夜間もOKとはいっても常識の範囲内であり、22時、23時からの面談というのは難しいですが、19時、20時であれば対応してくれるところも多いはずです。

面接場所が自宅から遠い場合は、電話面談もできる?

コンサルタントのオフィスが近隣にない地域にお住まいの方や、面談場所に足を運ぶ時間を作れない方は、電話面談も利用できます。「昼休み中の12時10分から30分程度に収めてほしい」「就業後の18時スタートでお願いしたい」といった細かな希望にも応じてくれて、コンサルタントが指定時間に電話をかけてくれます。

ただ、電話面談は場所を選ばないというメリットがある反面、声のトーンや会話の内容でしかお互いの印象がわからないため、信頼関係を深めていくことが難しくなることも否めません。立地や時間等の物理的な理由で電話面談を選択せざるを得ないという状況を除けば、できればコンサルタントと直接会って、フェイスtoフェイスでお話しするほうが、会話も弾みやすく、より深い相談がしやすくなると思います。

また、スカイプなどのコミュニケーションツールを活用し、Web面談に対応するコンサルタントもあります。遠隔でも、ご自宅にいながらも、画面越しにお互いに顔を見合わせながら面談できますので、来社できない場合はWeb面談を活用してみるのもよいでしょう。

土日祝にも面談してくれる?

これもコンサルタントによりますが、土曜・日曜・祝日の面談に対応してくれるところも少なくありません。特に中小規模のコンサルタントでは、そうした対応にも柔軟に対応してくれる可能性もあります。ただ、土曜日はOKだけど、日曜・祝日はNGというように対応の仕方はまちまちですので、事前に確認しておきましょう。

平日は現職の仕事で慌ただしい場合には、仕事が休みの日に面談のアポイントを取れば、じっくりと落ち着いて面談を受けることができます。複数の紹介会社に登録している方は、例えば土曜日に面談のアポイントを固めて情報収集に専念するというやり方も手だと思います。

転職活動中に面談する回数は?

面談は1~2回行われることが基本です。1回の面談で自己紹介から求人案件の紹介までひと通り行い、その後のフォローや書類・面接対策などは電話やメール等で行うところもあれば、当社のように2回目の面談の場をあらためて設け、直接お会いして書類添削や面接時の受け答えのアドバイスを行う場合もあります。

面談回数に特に決まりがあるわけではなく、求職者の皆さんのご都合や状況に応じて対応してくれます。あまり時間が取れないから1回の面談で済ませてほしいという場合には、その旨を伝えておけばよいでしょう。

面談のキャンセルはできる?

現職の状況等によって予定が変わってしまうこともあると思いますので、事前のキャンセルは可能です。ただ、コンサルタントにも予定がありますので、仕事上で商談や打ち合わせのキャンセルをするときと同様に、ビジネスマナーとして、キャンセルの連絡はなるべく早めに入れ、遅くとも前日までのキャンセルに留めていくことが賢明です。

そうした対応があれば、キャンセルを申し入れても担当するコンサルタントの心象を悪くすることなく、改めて日程を調整することができます。体調不良などによってやむなく当日キャンセルをせざるを得ない場合も、迅速に連絡を入れれば相手も理解してくれるはずです。

遅刻しそうなときの対応は?

遅刻についてもビジネスマナーをふまえた対応が大切です。5分、10分の遅刻でも、アポイントの時間に遅れそうだと分かった段階で、コンサルタントに電話を入れるようにしてください。20分、30分と大幅に遅れてしまう場合には、担当者の次の面談予定に支障をきたすことも考えられ、後日に改めて面談日を設定し直すこともあります。

面談当日のポイントは?

廣瀬信康

自然体で“本音”を伝える

コンサルタントとの面談は、選考の面接ではありませんので、面談の内容がその後の選考に影響するようなことはありません。「これを言うべきではない」といった制約にしばられず、言葉を飾ってご自身を良く見せようと考える必要もありません。

むしろ、私たちコンサルタントが面談でお聞きしたいのは、皆さんの本音なのです。皆さんが本音を奥底に留めてしまったままでは、皆さんがどんな企業や仕事に適しているのかという判断が難しくなり、結果としてミスマッチにつながってしまいかねないからです。コンサルタントにとって、皆さんの本音・本心が一番の指針なのです。

初対面の人に対していきなり本音を打ち明けるのは抵抗がある、という方もいらっしゃると思います。しかし、コンサルタントは、守秘義務を徹底し、傾聴にも長けたプロです。面談内容を外部にオープンにすることはなく、皆さんが本音を話しやすいように、フランクな雰囲気づくりにも気を配ってくれます。だから、変に構えたり緊張したりすることなく、自然体で臨み、現職場での悩みごとや転職への想い、不安に感じていること、将来どうありたいかなど、皆さん自身のお言葉で何なりと伝えていただきたいと思います。

ただ、服装の選び方でもお伝えしましたが、コンサルタントの心象をよくし、快くサポートをしてもらうためにも、社会人としての振る舞いや言葉遣いなどには気を配っておくことも大切です。基本的なマナーをふまえておけば大丈夫です。

ネガティブな退職理由や転職理由を伝えてもよい

皆さんが転職をお考えになったきっかけは、ポジティブな面ばかりではないと思います。もちろん、「年収を上げたい」「キャリアアップを図りたい」「スキルを生かして新たな分野にチャレンジしたい」など、前向きな意欲はどんどんお伝えください。

ただ、ポジティブなことだけに限るのではなく、「職場の人間関係がうまくいっていない」「夜遅くまで残業が続き、プライベートの時間を確保できない」「今の職場ではスキルアップが見込めない」など、ネガティブな面も率直に伝えていただいて構いません。そうした悩み事にこそ、皆さんの本音・本心が表れているともいえるからです。ネガティブな要素を伝えるとデメリットになるのではないかという心配は杞憂です。

例えば人間関係がうまくいっていないのなら、コンサルタントは、どんな上司や同僚がいて、どんなやりとりの中で人間関係に悩んでいるのかをじっくりと掘り下げ、そうした悩みを繰り返さないような転職先を吟味・検討してくれるはずです。

ただ、さすがに「楽な仕事に就きたい」といった本音をそのまま言ってしまうと、仕事への意欲が疑われてしまいますので、「転職先ではワーク・ライフバランスを良好に保ちたい」など、伝え方には多少工夫することも意識しておきましょう。

また、政治・宗教に関することなど、個人のプライバシーに関わることを伝える必要はありません。面接で禁じられていることと同じく、コンサルタントも面談でそうした質問を行うことはありません。

不平・不満ばかりの羅列には注意

何でも打ち明けていただいて構いませんが、かといって職場の批判や不満ばかりを堰を切ったように一方的に投げかけられるばかりでは、コンサルタントとしてはどう解決策を見いだしていけばいいのか、その糸口を見つけられないままに時間ばかりが過ぎてしまいます。聞き手の立場を考えても、不平・不満ばかりを一方的に聞かされていては、いい印象を抱かれないはずです。

そうした不平・不満の話はできるだけコンパクトにまとめ、これからどう解決していくのかを検討しあうことに力点を置くことが、面談の場では大切なポイントにもなります。コンサルタントに快くサポートしてもらうためにも、一方的な主張に終始するのではなく、相手=コンサルタントの言葉にもしっかり耳を傾けることが賢明です。

転職活動の状況を共有する

コンサルタントは、他のコンサルタントへの登録状況や転職活動の進捗状況、応募企業の有無、選考状況なども面談で確認します。その際には、隠すことなくお伝えください。他のコンサルタントにも登録しているからといって、それが不利に働くことは一切ありません。

他のコンサルタントの批判は逆効果

複数のコンサルタントを活用していくと、レスポンスが遅かったり、欲しい情報やサポートを得られなかったり、不満を覚えることもあるでしょう。しかし、そうした他エージェントの批判や悪口を面談で言ってしまうのは、あまり好ましいことではありません。

皆さんもそうだと思いますが、他人の批判を聞くことはあまり気持ちのいいことではなく、「この人はどこでも批判をしているのだろう」と思われてしまいかねません。そうした疑念を持たれてしまっては、真の信頼関係を築くことが難しくなってしまいます。

「他の紹介会社ではキャリアアドバイスを受けられなかったので、御社に登録しました」「担当者との相性が合わなかったので、他の紹介会社にも幅を広げているところです」といった程度に留めておくことがベターだと思います。

事実に裏づけられた実績は積極的にアピール

経歴や自己PRについて皆さんの強みを伝える際には、「営業実績で社内ランキング○位に入った」「業務効率化を推進し、コストを○%削減できた」など、数字の裏づけがある実績は積極的に面談の場でアピールしてください。これらは書類作成や面接対策を行う際にも重要なポイントになり、コンサルタントが企業側へ皆さんを推薦する際にも説得力のあるアピールポイントにできるからです。

情報交換だけでもOK

コンサルタントとの面談では、「情報交換を行いたい」「とりあえず話を聞きたい」という求職者の方々にも対応してくれることもよくあります。「転職市場の動向を探りたい」「希望する業界・職種への転職について、自分自身の経歴・スキルでも臨めるのかを第三者の目から判断してもらいたい」という目的でも、コンサルタントにとっては大切な登録者ですから、次につなげようという意識で丁寧に応対しくれるはずです。

ただ、その際には「まずは情報交換だけでも構いませんか」という旨を事前に担当者に伝えておくことがベターです。求職者側のスタンスによって、求人案件のチェックや洗い出しが必要かどうかなど、コンサルタントが面談に臨む準備も違ってくるからです。

面談後の流れは?

面談後のサポートをしっかり確認

面談時にはヒアリングや具体的な求人案件の提案・検討を中心に進め、書類添削や面接対策などは後日あらためて行うケースが多いと思います。

当社では後日改めて面談の場を設け、書類・面接対策を行いますが、面談を1回で終わらせるコンサルタントも、書類添削や面接対策を電話やメールでフォローしてくれます。書類添削では、文章の添削や表現方法、盛り込むべきポイントなどのやりとりを重ねながら精度を高めていきます。面接に臨む際には、面接官からの想定質問と回答例をまとめて共有することもあれば、対面や電話で模擬面接を行うこともあります。

ただ、コンサルタントによってサポート内容は異なり、書類添削や面接対策を行わないところもあります。コンサルタント側からも説明があると思いますが、皆さんからも面談時にしっかりと面談後のサポート内容やスケジュールを確認するようにしましょう。

面談後に求人案件の紹介を受けるケースも

皆さんの希望される業界・職種や、コンサルタントの保有案件の状況によって、面談当日には求人案件の紹介を受けられないケースもあります。ただ、コンサルタントによっては、企業側に皆さんをプッシュするなど、新規案件の獲得に精力的に動いてくれますし、後日皆さんの希望に合った案件が届くケースも多々あります。

転職市場は流動的で、マッチングにはタイミングも関わってきますので、面談の場で求人案件の紹介がなかったとしても、焦ることはありません。その際には、他のコンサルタントとの面談を受けつつ、案件紹介の連絡が来るのを待てばよいです。

面談後のやりとりはできるだけ迅速に

面談後のコンサルタントからの電話やメールには、できるだけ迅速に対応するように心がけましょう。そうした心がけからもコンサルタントに転職意欲の高さを伝えることができ、信頼を育むうえでも大切なポイントになります。タイムリーに情報を共有し、日々更新される求人案件のチャンスを逃さないためにも、迅速なレスポンスが肝要です。

本音の面談が転職成功への第一歩

コンサルタントとの面談は、転職サポートの重要な第一歩であり、面談で経歴やスキル、目指すキャリア、希望条件などをしっかりと共有することが、マッチング度の高い求人案件の紹介やその後の精度の高い選考サポートにもつながっていきます。コンサルタントから的を射た心強いサポートを受けるためにも、変に自分を大きく見せようとするのではなく、お互いに本音を伝えあい、理解を深めあうことが大切です。

面接ではなく面談ですから、等身大で、自然体にお話しいただいて構いません。ただし、コンサルタントが皆さんに真摯に向き合うことと同じく、皆さんもコンサルタントに対して転職成功を目指すパートナーとして考え、相手を尊重し、ビジネスマナーに沿った対応も必要です。そうした尊重しあう姿勢が、お互いの信頼を厚くし、転職成功への力強い歩みに結びついていくのだと思います。

※面談や対応などはコンサルタントごとに異なる場合があります

取材協力

株式会社ハッピー・マーク 代表取締役 廣瀬信康

約20年の経験を有するコンサルタント。求職者のやりがいを紐解き、候補企業を絞り込み、その企業から内定を獲得するための対策・ステップを一つひとつ丁寧に進めていくことを信条とする。また、企業の従業員満足度調査をあわせて手掛けているため、紹介企業の職場環境や労務管理、福利厚生の活用状況などもつぶさに把握し、求職者・従業員の目線で転職先選びの指針となる情報を提示してくれる。マイナビスカウティングが優良コンサルタントを表彰する「The Best Matching Of The Year」を3年連続受賞。