電力・ガス・エネルギー業界は、人々が生活する上で欠かせない社会インフラとなる電気や天然ガス、石油などの「エネルギー」を提供している業界です。従来は景気変動の影響を受けにくい、安定度の高い業界として知られていましたが、電力・ガスの小売自由化を始めとした規制緩和の流れのなかで、大きな変化の局面にあります。業界の仕事は、各種営業職・事務職のほか、世界のエネルギー需要や為替動向などを見ながら安定的な原料確保を推進する原料調達、エネルギー供給・管理システムの開発・保守を手掛けるITエンジニア、さまざまな設備の管理・保守を担うプラントエンジニア、設備メンテナンスの効率化から将来を見据えた新エネルギー開発までさまざまな課題に取り組む研究員まで、必要とされる仕事も多岐に渡ります。
規制緩和や新エネルギーの登場など、変化の重要局面を迎える業界
安定性の高い業界ですが、規制緩和、または人口減少、省エネルギー化を背景にした需要の伸び悩み等を背景に、領域を超えた競争が激化している業界です。例えば、電力業界が「オール電化」(調理や給湯も含めた、家庭内のさまざまなエネルギー需要をすべて電力でまかなうこと)を推進すれば、ガス業界は家庭用燃料電池「エネファーム」(ガスを燃料として家庭内で発電を行い、発生する電気と熱を効率的に利用するという仕組み)で反撃、家庭内のエネルギーシェアを求めて鎬を削ったり、ガス業界のLNG火力発電参入、石油業界やその他民間事業社の大規模太陽発電所(メガソーラー)事業参入など、激しい競争が展開されています。また「メタンハイドレート」を始めとした新しいエネルギーの技術開発動向にも注目が集まっています。安定業界としての従来のイメージとは裏腹に、さまざまな変化を迎えている業界ですので、チャレンジ精神の豊富な人、大きな変化に関わる仕事がしたいという人も、ぜひ注意を払っておきたい業界であると言えるでしょう。