医療用機器・医療関連業界は、医療に役立つ医療機器や医療用具を企画・製造・販売する業界です。医療機器は大別して、CTや内視鏡といった「診療機器」、カテーテルやレーザー治療、手術用メスなどの「治療機器」、ペースメーカーや人口骨などの「生体機能補助・代行機器」、眼科用品や家庭用などの「その他機器」があります。医療業界で用いられている医療機器は50万品目前後とも言われ、グローバルシェアにおいては欧米の大手メーカーが圧倒的なシェアを有していますが、その中で「画像医療システム」などの「診療機器」分野を始め日本の医療機器メーカーが強みを発揮、欧米メーカーのシェアに食い込んでいます。また、国内では医療費抑制政策により金額ベースでの市場拡大が難しいと言われており、各社とも海外展開を強化、特に急成長を続けるアジアを中心とした新興国市場への展開が積極的に図られています。
国内のみならず、さまざまな国や地域で利用される製品に関わるやりがい
医療用機器・医療関連業界のやりがいは、自身が関わった医療機器や医療用具で人の命や健康を支えられることです。しかも、それは国内のみならず、さまざまな国や地域で利用され、各地域の医療貢献に繋がっていくという、スケールの大きな魅力があります。他方、業界の仕事としては、研究開発・製品開発・ソフトウェア開発・生産技術・生産管理・品質保証といった技術系から、営業系、管理系までさまざまな仕事がありますが、基礎研究・要素技術開発から、評価機関・医療機関による評価、保険収載による診療報酬点数を確保に至るまで、医薬品同様、製品が市場に流通するまで多くの障壁があり、社内各部門の連携はもとより、医療機関や大学・研究機関との連携など、各方面の協力を得て、綿密な積み重ねが必要となります。そのため、業界で働く上では、各職種領域における実力・専門性はもとより、さまざまなプロジェクトにおいてチームワークを発揮・推進できるコミュニケーション力やリーダーシップが必要です。