新聞・出版・印刷業界は、IT・デジタル化が進む中で、変化が急速かつダイナミックに進んでいる業界です。例えば「全国紙」「地方紙」「スポーツ紙」「業界紙」に大別される新聞業界では、インターネットで情報を得る人口の拡大に伴い、Webと紙面との棲み分けによる共存を図ったり、Web版の有料化に踏み切るなど取り組みを強化しています。また、出版業界では、インターネット販売や電子書籍への取り組みを強化するほか、出版取次の再編など流通形態にもさまざまな変化が起きています。加えて、印刷業界では「印刷物離れ」「ペーパレス化」等を背景に印刷需要自体は減少傾向にありますが、出版事業での実績を活かしたコンテンツ制作や配信といったソフトウェア事業を強化したり、部数の少ない印刷にも対応する「小ロット印刷」や必要なときに必要なだけ印刷する「オンデマンド印刷」など、サービスの多様化による需要喚起が図られています。
社会的な意義・影響度の大きい仕事。人気も高いが、定期的な情報チェックに活路あり
新聞・出版・印刷業界のやりがいの一つは、情報やコンテンツ、さまざまなクリエイティブの制作・発信に関わることを通じて、社会的な意義・影響度の大きい仕事に関われる機会の豊富なことにあります。業界の仕事としては、新聞業界であれば記者、技術、営業・販売など、出版業界であれば編集、進行管理、広告営業など、印刷業界であれば企画、印刷技術者、印刷営業など多岐に渡る仕事があります。また、IT・デジタル化が進む中で、共通してIT技術者の需要が高い点も特徴です。新聞社を始めとした大手企業の多くは新卒採用による人材確保がメインではありますが、夏季や秋季など、年数回のキャリア採用も行っている会社もあります。また、出版・印刷業界は中小企業を含む裾野の広い業界ですので、さまざまな参加の仕方が考えられます。業界を志す方は、営業・マーケティング・クリエイティブ・ITなど、自身のキャリアと近しいところから経験・スキルを磨きつつ、主要な企業のWebページをチェックしたり、求人サイト等で設定できる希望マッチメールを活用するなど、定期的に情報をチェックするように心掛けると良いでしょう。